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大学教員として生きる道

著者は40歳代の都内中堅私大の准教授です。大学教員になるまでの経緯、日常の出来事などを記録します。

大学の偏差値とは何か?

 

大学はよく難易度別に偏差値でランク分けされて,Sランク,Aランクなど毎年更新されているのを見る.

 

しかし,大学内部から見た偏差値というのを大学教員の立場から考えてみたい.

私は,大学ランクでいうところの中堅大学に勤めているが,学内でも学部や学科によって偏差値は大きくことなり,偏差値40台後半~50台全般ぐらいに分布している.したがって,この大学名別のランキングは学部や学科が考慮されていない場合,あまり意味をなしていない.

 

大学の偏差値は,入試に向けた模試を基準にしていることが多く,偏差値が40台の大学(学部・学科)では,入試に向けた模試を受験せずに本番で試験を受ける学生も多くいる.その場合,ごく数人が受けた模試の結果が偏差値に反映することがあり,実際の学力よりも高い偏差値になったり,低い偏差値になったりすることがある.

 

学生たちと接していて感じることは,同じ偏差値が50ぐらいの学科内でも優秀な学生もいれば,そうでない学生もいる.当たり前のようだが,この偏差値ランクというものがあるせいで,この大学に行っている学生は,大体このぐらいだなというレッテルが貼られているのもどうかと感じることがある.

 

このブログを読んでいる高校生に伝えたいことは,大学選びは偏差値だけではなく,大学に足を運んで選んで欲しいということである.私が高校生の時にはオープンキャンパスなんて言葉はなく,受験をする大学選びは偏差値を基準にすることがほとんどであったように思うが今は大学もかなり開かれているように思う.是非,実際に勉強をする環境を自分の目で確かめた上で進学する大学を選んで欲しいと思う.

 

大学生に伝えたいことは,自分の大学の偏差値を気にせず学問に励んで欲しいと思う.勉強すればするほど脳細胞は活性化されるので,高校生時代の学力=偏差値に縛られないで興味のある分野の勉強をしっかりとして将来につなげて欲しい.

 

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企業の人事担当者に伝えたいことは,採用時に偏差値で足切りをせず埋もれている才能に目を向けてほしい.容易ではないと思うが,個々の学生の将来性を見抜いて欲しい.

 

大学選びは大学教員を目指す研究者にも当てはめることができるかも知れない.日本にある多くの大学は明治以降に設立されており設立に至った経緯や学祖の考え方も大学によって大きく異なる.いくつかの大学に勤めてきて感じるのは同じぐらいの偏差値でも学風が自分に合うかどうかも重要な視点だと思う.

 

一方,現場の感覚として偏差値が70を超える大学で非常勤講師として授業を行った際はとても理解度が高いと感じるし,40台の大学で行う方法とはやり方が異なってくる.しかし,これは集団を対象とした場合であって個々の適性や能力までは考慮していない.

そのように考えると大学名別ランキングの偏差値とは,母集団の平均値を表しているに過ぎず,人を評価する物差しではないということは改めて強調したい.