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大学教員として生きる道

著者は私大の准教授です。大学教員になるまでの経緯、日常の出来事などを記録します。

やっと終わったセンター試験

やっと終わった〜という達成感は受験生だけでなく、試験を運営している大学教職員も同じように感じている事と思う。昨日、今日はセンター試験の試験監督を担当した。この数年、毎年のルーティン業務となっている。

 

受験生の皆さんには、日頃の学習成果を発揮して欲しいと思うし、高校から大学生になる為に全国共通で同じテストを同時に行うセンター試験の実施には基本的に賛成である。だが、実施にあたり多くの大学教職員がセンター試験の運営に駆り出されていることは知ってもらいたい。

 

試験監督をする上での説明会に半日、資料の読み込みに半日、そして実施日2日を合わせた合計3日間は、センター試験に時間を取られる。予備日のスケジュールも2日間、開けておかなければならない。1年間の内、365日分の3日がセンター試験に費やされている。いや、別の見方をすると自由に研究時間が取れる土日で考えると、1年間の土日の日数は104日なので、104日分の3日(30分の1)をセンター試験に費やしていることになる。

 

そのぐらいたいしたことはないと考えるのか、自由時間の30分の1が費やされていると考えるのかは人によるだろうが、私自身は貴重な時間を奪われていると感じる。自由時間の中には、学会出張や研究活動、家族と過ごしたり、ペットに餌をやったり、趣味を行なったり、本を読んだり、より人生を豊かにするべき時間も含まれている。

 

そこでセンター試験の試験監督を行うことをポジティブに考えてみる。

・頑張っている受験生の姿を見る事ができる。

・自分自身がセンター試験を受験した時の事を思い出し、若かりし頃を振り返ることができる。

センター試験の問題をいち早く見る事ができる。(しかし昨年より著作権保護のため問題用紙を持って帰れなくなった。)

・試験監督を学内の教職員と運営する事で一体感や達成感を感じることができる。

 

などであろうか。

 

センター試験改革が検討されており、2020年からセンター試験がなくなり、大学入学希望者学力評価テスト(仮称)と高校基礎学力テスト(仮称)の両方で入学者を選抜する事になる。思考力、判断力、表現力の3要素を評価できるテストが行われるよう準備が進んでいるようだ。  いずれにせよ新しい時代にマッチした試験が効率よく行われ、大学入学の選抜が行われることが望まれる。そして、大学教職員の手間を軽減出来れば、なお、素晴らしいと思う。 

私自身は受験生時代にセンター試験で思うような結果を出せずに第一希望の大学には合格できなかった苦い思い出がある。しかも2年連続して。

しかし、今では大学の教員となり、学生を指導する立場にあり、研究計画を立て外部資金を獲得し、統計ソフトを使いこなし、英語で国際学会で発表するし、英語の論文もパブリッシュしている。センター試験で失敗しても、第一希望の大学に合格できなかったとしても、勉強したことは無駄になっていないし、受験だけで人生が決まる訳ではない。もっとも重要な事は目標を持ち、それに向けて努力を続けることだと思う。受験生の時は本当に苦しかったと思うけどね。センター試験の改革によって、受験勉強には不向きだけれども研究熱心で、情熱があり、コミュニケーションがとれ、思考力、実行力、判断力に優れた人材を発掘し伸ばせて行ければと思う。そのためのセンター試験改革であるならば大いに賛成で協力したいと思う。