大学教員として生きる道

著者は40歳代の都内中堅私大の准教授です。大学教員になるまでの経緯、日常の出来事などを記録します。

大学教員の確定申告を考える

本務校以外からの収入が20万円以上ある場合は確定申告が必要である.

 

国税庁のHPに「給与所得者でも確定申告が必要な人」の条件として法令で定められている.詳細を知りたい方は下記を参照.(平成29年4月現在法令等)

No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|所得税|国税庁

 

確定申告が必要な理由を述べようと思う.

本務校が行う年末調整で所得税は,その年の給与所得から控除額を引いた課税所得金額に基づき計算される.よく言うところの累進課税で,課税所得が300万円であれば税率が10%なので,3,000,000円×0.1-97,500円=202,500円の所得税となるが,4000万円を超えると税率が45%なので,40,000,000円×0.45-4,790,000=13,210,000も所得税を納める必要が生じる.(平成29年4月現在法令等で計算)

No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁

 

非常勤先からの給与,あるいは執筆した書籍による印税,講演の謝金などの雑収入から源泉される所得税は,課税所得金額が195万円以下は税率が5%で源泉されている.しかし,所得税はその年の合算した課税所得に対して税率が適用される必要がある

したがって,例えば非常勤先からの給与が年間で60万円であったとすると,3万円が給与明細で既に源泉されているが,本務校の年収と非常勤等の他の収入を合わせた年収が900万円だと,税率33%が適用されるので,非常勤先からの徴収額が足りないことになる.非常勤先の給与1ヶ月分ぐらいの所得税をさらに払う必要がある.さらに言うならば,住民税は前年の1月~12月の課税所得にかかってくるので確定申告をしないと住民税の支払額が少なくなってしまう.

したがって,

 

大抵の人は確定申告をすると余分に税金を納める必要が生じる

 

しかし一つ救いがあって,雑収入に対しては必要経費を控除する事ができる.例えば,印税や講演会の謝金であれば集めた資料代やコピー費などが該当するであろう.私は必要経費の領収書を透明のケースにガサっと入れておいて,1年分の領収書を確定申告の時期に整理するようにしている.ノートに張り付けたりする必要はなく,クリップで止めて封筒に入れて確定申告の書類と一緒に提出するようにしている.

 

 

雑所得に対して必要経費を課税所得から控除できるのであれば,非常勤講師として本務校以外の学校から得られた給与に対しても必要経費を考慮できると思うのが筋だと思うのがそこは認められない

例えば,授業を行う為には書籍を執筆する時と同じように資料を集めたり,新聞をコピーしたりする経費がかかるが,その経費は必要経費としては認められない.給与所得には既に一定の控除額が設定されて,課税所得は給与所得より低く計算されている.

 

いやー,税金の徴収は実によくできた仕組みだと思う.頭の良い人もいるものだと感心してしまう.集められた税金で,公共施設が使えたり,社会保障が充実したりするので税金は法律に従ってきちんと支払うべきなのであるが,大学教員にとって,現在の職に就くまでの過程で一文無しで奨学金の借金を抱えながらやってきた身としては,せめて奨学金の返済額ぐらいは課税所得から控除して欲しいと思うのは私だけでしょうか.